【レポート】新サービス! オンプレミスのKubernetesクラスターを管理できるAmazon EKS Anywhere #EMB018 #reinvent2020
コンサル部のtobachi(@toda_kk)です。
re:Invent 2020で行われたセッション "[NEW LAUNCH!] Amazon EKS Anywhere: Manage your Kubernetes clusters on premises" のレポートをお伝えします。
こちらのセッションは、re:Invent初日のキーノートにて発表された新サービス Amazon EKS Anywhere について解説しているものです。キーノート後に追加されたセッションであり、なかなかチェックできていない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ちなみに、 Amazon EKS Anywhere発表時の速報記事もありますので、そちらもいっしょにご覧いただけると幸いです。速報っぽい空気感が出ていて良いですね(?)
概要
Our customers have asked, “Can you give us the same Kubernetes to run on premises as you run on AWS with the same support?” To them we say, “Yes,” but we want to do even more. Amazon EKS Anywhere provides a consistent experience for managing Kubernetes clusters on premises and on other clouds. Amazon EKS Anywhere allows you to standardize Kubernetes, so you don’t have to manage the complexity of multiple versions across different workloads and environments, and you can manage and monitor your clusters using the same Amazon EKS operational tooling.
引用者訳: 「AWSで実行するのと同じように、オンプレミスで実行するKubernetesを同じサポートで提供できますか?」とお客様から質問をいただいてきました。答えは "Yes" ですが、私たちはさらなるサービスを提供したいと思っています。 Amazon EKS Anywhereが提供するのは、オンプレミスや他のクラウドでKubernetesクラスターを管理するための一貫したエクスペリエンスです。 Amazon EKS AnywhereはKubernetesを標準化できます。そのため、さまざまなWorkloadや環境があるなかで複数のバージョンが発生するような複雑な状況を管理する必要がなく、同じAmazon EKSの運用ツールを使用してクラスターを管理・監視できるのです。
セッションレポート
アジェンダ
- AWSにおけるKubernetes
- 運用ツールの一貫性
- オープンソースとGitOps駆動
- まとめ
AWSにおけるKubernetes
- Amazon EKSとは?
- KubernetesにおけるControl Planeをフルマネージドでデプロイするサービス
- オープンソースでのスタンダードをベースにしている
- オンプレミスorクラウド という軸
- Data Planeを管理するのが自前orAWS という軸
- FargateであればData Planeの管理不要
- オンプレミスでKubernetesを管理するのは大変
- 投資効果の計測、ガバナンス、データ保管規約、コスト削減、セキュリティやアップデート……など
- オンプレミスとクラウドの両方でKubernetesを管理する場合、運用が複雑になりがち
- Amazon EKS Distroとは?
- Amazon EKSで使われてきたKubernetesのコンポーネントをオープンソース化したもの
- アップストリームによって採用された、セキュリティパッチやツールや構成
- Amazon EKSによって後発バージョンをサポート
- 信頼性と安全性が保たれる
- EKS Distroのビルドは、公開されているツールと環境変数を使えば再現可能
- Amazon EKS Anywhereの発表
- EKS Distroをベースとしている
- EKSと同じ一貫したエクスペリエンスで、データセンターや実在のハードウェアでKubernetesを構築・管理できる
- EKS Anywhereによって、オンプレミスで構築されたEKS Distroクラスターにおけるライフサイクルを適用・管理できる
運用ツールの一貫性
- EKS Distroの登場によって、オンプレミスとクラウドで同じ運用ができるようになる
- 基盤がVMでもベアメタルでも、EC2でもFargateでも同じ
- オンプレミスでもクラウドでも同じ
- AWSマネジメントコンソールのダッシュボードで管理できる
オープンソースとGitOps駆動
- EKS Distroを使うことで、オープンソースのコミュニティと協力できるという強みが生まれる
- GitOpsによる3つのメリット
- 異なる環境でも同じオペレーションが可能
- セキュリティとコンプライアンスの観点で、同じポリシーを適用できる
- アップデートやパッチを同じように適用できる
- EKS Anywhereのアーキテクチャ
- オンプレミスとAWS上で、同じような形でEKSを動かせる
- この仕組みには、Gitのランタイムとリソース配信を活用している
- EKS Anywhereのコンポーネント
- 宣言的なツール
- クラスター管理・運用、アプリケーションのデプロイ
- 統合されたスタック
- ネットワーク、ストレージ、監視など
- このなかにEKS Distroが含まれる
- オンプレミスのリソース
- EKS Anywhereのユースケース
- 機械学習モデルの一時的なトレーニング環境を立てたい
- すでにオンプレミスで動かしているWorkloadをAWSに移行したい
- アプリケーションをモダンにしたい
- 外に出せない機密情報を扱うのにオンプレミス環境が必須
- AWSの環境とハイブリッドで使う
- AWSによるフルサポートを受けられる
- 24/7サポート
- Well-Architectedレビュー
- Amazon EKSエキスパートによるサポート
まとめ
- EKS Anywhereによってオンプレミスにおける柔軟性が高まる
- オンプレミスとクラウドの環境による差異を減らすことができる
資料紹介
- Amazon EKS Anywhere – Amazon Web Services
- Amazon EKS Distro – Kubernetes distribution – Amazon Web Services
個人的な感想
re:Invent初日のキーノートにてAmazon EKS Anywhereが発表された際、いったい何が起きるんだ!? と驚きました。EKSがデータセンターでもオンプレミスでも動くって意味わかんなくないですか??
しかし、今回のセッションを聞くことで、EKS Anywhereの仕組みやメリットが理解できたように思います。
特に、ほぼ同時に発表されたAmazon EKS Distroがフル活用されている仕組みであり、この2つの新機能はセットで考えると理解しやすいなと感じました。
Kubernetesそのものの発展とともに、EKS DistroやAnywhereを含めた、AWSによるKubernetes提供がより便利になっていくことが期待できます。
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